2017年01月23日 掲載

なぜヒートテックは暖かいのか

出典:東レ・ユニクロ
出典:東レ・ユニクロ

ユニクロのヒット商品「ヒートテック」

「ヒートテック」と言えば発熱・保温機能を持つユニクロの定番商品。多くの方が一度は試したことのある商品ではないでしょうか。2003年に東レとユニクロが共同して開発した新開発の繊維が、体からでる水蒸気を吸収して熱に変換し、繊維の中から発熱して温めるものです。

秘密は水蒸気にあった!

これは『吸湿発熱』という原理によるもので、人間の体はとくべつ汗をかかなくても、1日約800ミリリットルの水分を水蒸気として発散しています。この水蒸気は運動エネルギーを持っていますが、繊維に吸着したときに、運動エネルギーが熱エネルギーに変換されます。これが発熱の原理です。

おしゃれも、機能性も。

このように最近のアパレル製品の中には、単にファッション性を追求するだけでなく、機能性のある製品を開発するところが増えてきました。将来的にこのような仕事にかかわりたい人は、工学系、なかでも繊維工学のような学問を研究究しておく必要があります。

開発者から見たヒット商品「ヒートテック」

進化する「ヒートテック」

商品自体は2003年から販売しています。当初はインナーの性格が強く、寒い季節に温かくなれるという機能性はもちろん、肌触りのよさや、男性用と女性用をどうするかなど、これまで色々な試行錯誤と改良をしてきました。その中で、アウターとしても使えるのではという発想に至り、現在はインナーとしてはもちろん、重ね着したときに見えても見せてもいいし、アウターそのものとしても着用していただける機能やデザインの商品として販売しています。もはや単なるインナーではない、衣類の新しいカテゴリーを創出できたと感じています。

お客様との近さにヒット商品を作るカギが。

このようなニーズはウェブやお電話などを通じて寄せられるご意見ばかりでなく、日本全国にある750店舗からも、お客様がどのような商品を求めて、どういうサービスを望んでいるのかといったことを発信してもらう仕組みを作ることで、モノづくりと売り場のスタッフが常に近い距離で情報交換するようにしています。

また、ヒートテックの企画やデザインは女性中心のチームで取り組んでおり、女性の視点の細やかな商品開発マーケティングが、性別や年齢を問わず、幅広い層に支持されているのではと見ています。このように生活者はどのような商品を求めているのか、また逆に自社の持っている技術やデザインをどのように商品化すれば生活者に受け入れてもらえるかを考えるのが商品開発部で、このような研究をするのが商学部です。