2018年05月12日 掲載

なぜ動物体内で人間の臓器が作れるのか


日本では今年、文部科学省の専門委員会により人間の臓器を動物で作成することが認められました。人と動物とは異なる種であるにも関わらず、人の臓器を動物で作れるとは不思議に思いませんか?一体どのようにして作製されるのでしょう。

用いられた手法がキメラ技術です。キメラ技術とは複数の異なった遺伝子型の細胞又は異なった種の細胞から1つの生物個体と作り上げる技術です。人と動物の場合、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)をある臓器が作られないようにした動物の胚に注入し、それを動物の子宮に戻して、成長させます。すると、動物の体内で元々の動物では作ることのできなかった臓器の部分に人の臓器ができるという仕組みなのです。

アメリカでは日本よりも先に研究が始められており、既に人の細胞を含んだブタや羊の胎児が作製されたと報告されています。しかし、実際には注入した人のiPS細胞をどのように狙った臓器に分化させるのかなどの技術的な課題や倫理的問題などが多く残っており、完全な人の臓器はまだ作製できていません。現在、将来的にこの技術を用いて臓器移植を可能にすることを目標に世界中でさらなる研究が行われています。

このような分野に興味のある人は生物学への進学をお勧めします。

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