2018年05月12日 掲載

なぜドラッグデリバリーシステムが重要視されているのか

出典:イラストAC
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体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御し、コントロールする薬物伝達システム「ドラッグデリバリーシステム」、通称DDS。

私たちが薬を飲んだ時、食べ物と一緒に胃でまず消化されます。続いて小腸で吸収されて、全身をめぐってから患部にまでたどり着きます。
さて、ここで薬効を発揮するのですが、実際に効き目は飲んだ量のわずかしか現れません。薬の成分中には生体内の酵素(生物体内で起こりうる化学反応を触媒する分子)で速やかに分解されて薬効がなくなることや正常部位に作用し副作用を引き起こすことがあります。

これらのことを改善しようとして開発された技術がDDSです。DDSには3つの種類があり、それぞれの目的があります。「放出制御」は、体内における薬物を薬剤コーティングし、その溶解速度をコントロールすることによって薬物血中濃度を一定にできます。「吸収改善」は、薬物の小腸における吸収効率を改善したり、脂質性を高めて皮膚からの吸収をよくしたりできます。また、小腸の吸収による肝臓代謝を避けるために、薬の投与経路をかえることによって吸収効率を良くしたりします。そして「標的指向化」は、薬物を高分子で修飾すること(薬の周りに高分子をコーティングすること)によって特定の細胞・器官(がん細胞など)にしか吸収されないようにできます。

世の研究者たちはこれらの技術を応用することによって、人体への薬物による副作用を軽減しようと日々奮闘しています。さらにDDSの技術が進歩すれば、手術のいらない、薬飲むだけで病気が治る世界がやってくるかもしれません。DDSの技術に興味がありましたら、薬学について調べてみましょう。

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