2018年05月12日 掲載

なぜ胎児のしっぽはなくなるのか

出典:イラストAC
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犬や猫にはしっぽがあるのに、なぜ私たち人間にはないのでしょうか?祖先の猿人類たちは、生活拠点を木の上から地面に置いたことから、尻尾よりも足を使う生活へと変わり、尻尾の必要性がなくなったという説があります。では、もう私たち人間には絶対にしっぽがないのかというと決してそうではありません。

実は、妊娠2か月までの赤ちゃんにはしっぽが確認されており、胎児に成長していくにつれて体内に吸収されていきます。

生物は成長に伴って大きくなるとき、それは細胞の数が増加しています。このとき、細胞数の増え方が場所によってちがうことにより、形も変わっていきます。たとえば、神経細胞と皮下細胞は細胞の数も形もまったく異なります。しかし、特定の場所にある細胞が自ら死んで取り除かれることによって形が変化する場合があります。これを「プログラムされた細胞死」、または「アポトーシス」と呼ばれています。(後者の方が一般的)。しっぽのみならず、ヒト胎児の指の形成なども、その例の一つです。手が形成されるとき、厚みのあるウチワのような形をしているが、指の間の細胞が死ぬことによって指が一本一本形成されます。

細胞は生体機能全体がうまく機能するために自ら判断し、生死をきめています。このアポトーシス機能はがん細胞にも存在することがわかっていますので、「がん細胞をアポトーシスに誘導する薬」の開発が日々されています。アポトーシスは生物学・創薬研究に関係しています。気になったら調べてみましょう。

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