2018年05月12日 掲載

なぜ細胞周期は複雑な機構を経てやっと増殖活動ができるのか


私たちヒトを含むほとんどすべての生物は生き残るために、日々進化し、成長し続けています。過酷な環境の中で生体機能の維持や器官の構築など、身体構成に貢献してきたのが「細胞」であるということはみなさんご存知でしょう。

細胞には計4つのフェーズがあり、「G1期」、「S期」、「G2期」、「M期」と分かれています。各フェーズには様々な細胞周期促進・抑制因子が働いており、それらが繰り返されることによって細胞は分裂・増殖します。では、なぜ細胞はそれらを経て、やっと分裂ができるのでしょうか?

実は各フェーズごとにチェックポイントが存在しており、それをクリアしないと細胞周期はそこでストップします。たとえば、G1期の通過にはサイクリンD-CDK4複合体が制御しています。増殖刺激因子によりサイクリンDが合成され、CDK4と結合して複合体を形成します。続いて複合体はCAKにより活性化され、転写因子を抑制する働きをもつRbタンパク質をリン酸化します。Rbがリン酸化されるとRbタンパクと結合している転写因子E2Fが遊離して、DNA複製に必要な遺伝子群の発現が誘導されて細胞周期が進行します。

ここまでして細胞自身が複雑に細胞周期を調整しているのは、細胞の異常化、つまりガン化を防いでいます。このように、私たちの意思とは関係なく細胞自身が様々な働きを行っているおかげで、日々の生活が成り立っています。ミクロな世界で生物を解明するのは生物学です。気になったら調べてみましょう。

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