2017年02月06日 掲載

なぜ、日本はTPPを望み、米国は嫌うのか

出典:ロイター
出典:ロイター

12か国で交渉を進め大筋合意に至っていたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)ですが、2017年1月、就任間もないトランプ米大統領が離脱を表明し実現は困難になりました。では、なぜ日本はTPPを望み米国は離脱の道を選択したのでしょうか。

そもそもTPPは環太平洋の12か国で自由貿易を促進したり、他国への企業進出を容易にするなどの経済協力を行なうという目的がありました。日本にとっては、主要産業である自動車の輸出において関税の引き下げが可能になるほか、バターなど供給不足に陥りがちな製品を輸入しやすくすること、医薬品の特許をより長く保持できるようになることなどがメリットとされ、安倍内閣肝いりの政策の一つでした。ある試算では、TPPにより日本のGDPは14兆円も増加するとさえ言われていたのです。

TPPはアメリカにも益をもたらし、GDPは5兆円増加するとの試算もありました。しかしトランプ大統領にとってそれより重要だったのは、自身の主要な支持層である白人労働者たちの雇用問題でした。彼らは国の自由貿易政策によって多くの雇用が失われたという認識が強く、トランプ氏のTPP離脱の方針を支持していました。そこでトランプ大統領は就任直後にその期待に応えTPP離脱を決定した訳です。それでも各国と二国間で交渉し、貿易を有利に進めていく姿勢を明らかにしています。

このように、政府の景気対策や雇用問題について幅広く研究し経済発展に寄与したい方は、経済学という学問へ、多国間における政治的戦略をどのように舵取りしながら自国の利益、またはグローバルな利益をもたらすのかという研究をしたい方は国際関係学や政治学への進学をお勧めします。